ポラ編〜堕ちた翼〜
第二話 翼 前編
どれだけの時間が経ったのだろうか?
まだ、私はそこにいた。
この白い空間・・・。
あるのは私と、ベッドと少しの家財道具。
私はいつまでここにいればいいの?
私はいつまでもいなければならないの?
心の中の私がそう叫ぶ。
コンコン・・・
今日もまた来たようだ。
私がここに来てから毎日のようにエイミが私のところにやってるくる。
いつも、いつも・・・。
そして、私はいつも始めてあった時と同じ嫌な気分になってしまう。
「入るわよ。」
エイミが私の気持ちとは関係なく入ってくる。
その手にはいつも薬が携わっている。
私に飲ませるための薬だ。
でも、私はいつもそれを拒否している。
それは飲んでは駄目・・・。
心の中の私がそう言ってくるのだ。
だから、今まで一回も飲んでいない。
「・・・今日も飲んでくれてないか。
私ってそんなに信用ないのかな?
毒なんか仕込んでないわよ。
これ、ただの栄養剤。」
ニコニコしながら、私に言ってくるエイミは不気味で、
それだけでも、飲む気が失せてしまう。
そして、いつも私に与える嫌な感じ・・・。
「・・・飲みたくない。」
小声でそう言う。
エイミに聞こえない程度に言ったつもり。
ただの独り言・・・。
「うん?
駄目よ。ちゃんと飲んで静養しなくちゃ。」
そう言って、私の手に薬を渡す。
「・・・。」
「飲むまでここにいるから、
今日は絶対に飲んでもらうんだからね。」
・・・飲みたくない。
だけど、私はエイミと一緒にいたくないが為に
その薬に手をつけたのだ。
モヤモヤしている。
ここはどこだろう?
白い霧で周りの様子は見えない。
ヒュー
私の横髪をなびかせるだけしかできないくらいの弱い風が吹いた。
しかし、それだけの風でも周りの霧を流されていくのだ。
「あ・・・。」
目の前には草原が広がっていた。
空には大き太陽が浮かんでいる。
辺りはその太陽に照らされてとても明るい。
草原を横切るかのように中央には大きな川が流れていた。
綺麗な川・・・。
今まで見たことも無いほど透き通っていて遠くから見ても川底が見えるようだった。
私はここを見たことがある。
はっきりとは覚えてない。
だけど、確信して言える。
「・・・誰?」
一陣の風が吹き、その合間から人のと思われる足音が聞こえた。
トテトテ・・・
私は振り返ろうとしたが、その瞬間強い風が吹き髪が掻き乱される。
私の長い髪が目の前を遮り、誰がそこにいるのか分からなかった。
「あ・・・。」
次第に、周りには霧がかかり始めた。
そして、私は現実に引き戻されていったのだ。
しかし、最後の一瞬だけ霧の合間から私は見えたのだ。
最後に見た光景・・・。
それは小さな私がお母さんに引かれ、はしゃいでいた光景。
最後にお母さんと会った光景なのだ・・・。
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