ポラ編〜堕ちた翼〜
第二話 翼 後編
目が覚めたとき、私がいたのは今までいた部屋とは違った。
周りには数人の人がいたのだ。
その人はエイミや最初にあった男ではなく、私と同じような服を来た人間だ。
でも、その人たちは人間とは言いがたい者ばかりだった。
「ここはいったい・・・。」
私は周りを見ながら呟く。
周りには、前にいた部屋と同じようなベッドがここにいる人数分置いてあり
他には者を収納するための棚が2,3置いてあるだけだ。
前の部屋を個室と例えるならここは大部屋と例えると分かりやすいのだろう。
「おはよう・・・。貴方もここに連れられて来たんだね・・・。」
部屋をじ〜っと見ている間にこの部屋の中にいた一人が私に近づいていたのだ。br<>
その子は、頭に角を持ち、耳は人間よりも倍以上伸びて、
手足の爪はまるで牙の様に伸び、犬の様な尻尾を持っていたのだ。
「・・・私を見て、驚くんだね。」
私は彼女の体をくまなく物珍しく見て、驚いたような顔をしていたのだろう。
正直、驚いている。
人間の社会の中で生きてきた私は、人間以外の人の形をした亜人に会ったことが無い。
と言うよりも、この世界にいること自体知らなかったのだ。
私は夢を見ているのかと最初に思ったけれども、
誰にも見られないように太ももを抓り、その痛みがそれを否定したのだ。
「私はユニクルって種族のルーニ。
まぁ、人間にはエルフとか鬼とか呼ばれてる種族だけどね。」
そう言うと、ルーニは私に握手を求めるように手を差し伸べたのだ。
私は躊躇しながらもその手を取り、握手するのだった。
「えっと、貴方はなんて名前なの?」
「私はポラ。」
「へぇ〜。ポラって言うんだ〜。そのままでいいよね。呼び方は。」
ルー二は妙に馴れ馴れしいのだが、私は不快には感じなかった。
それどころか、心地いいくらいなのかもしれない。
今まで、父親としかほとんど会話したことがない私にとって
ルー二は傍にいて欲しいと思うような友達みたいな感覚なのだ。
それにしても、ここはどこなんだろうか?
周りを見ても分かるはずもないのだけど、ついついこう言う時は見てしまう。
でも、結局何も情報を得ることはできないのだ。
「うん?どうしたんだ、ポラ?」
そんな私に行動が不思議そうにルーニが話しかけてくるのだ。
「あ・・・、うん。ここは何の部屋かなって・・・。私の居た部屋とはぜんぜん違うから。」
ここは私の居た部屋とは違って、押し込まれてるような感じがして嫌なのだ。
しかも、ルーニみたいに違う種族ばかり。
別に人間じゃないから嫌と言うわけではなく、この押し込まれている感じが嫌なのだ。
だから、壁を押してみたり、叩いてみたり。
私でも不思議と思うような行動を自然と取ってしまう。
「ここは・・・実験の素体を生かせるために作った部屋なんだよ。」
「実験?素体?」
私にはよく分からなかった。
いや、お父さんの手伝いで何回も聞いたことがある言葉なので知ってるのだが、
理解不能だった。
「何で、私が・・・。普通の人間なのに・・・。」
周りにいる人に失礼かもしれないが、私はこの部屋のどの人よりもまともなのだ。
つまり、普通過ぎるくらいの人間なのだ。
だから、私が実験の道具にされることが理解できない。
私が宇宙人にでもさらわれない限り。
「・・・なんで、私が。
言っては貴方達に悪いかもしれないけど、私は普通の人間なのに・・・。」
分からない・・・。
分からないことだらけなのだ。
「・・・ポラって自分のこと人間だと思ってるんだね。」
「・・・え?」
ルーニがよく分からないことを言う。
私が人間じゃないって・・・。
どう考えてもおかしい。
私は普通の人間。
お父さんも普通の人間だった。
決して、ここにいるルーニ達みたいに変わったところは無かった。
そして、私も・・・。
お父さんと同じで変わったところは無い。
毎日、朝鏡で自分の姿を見ているのだ。
間違えないはずなのだ。
「え!?って・・・。貴方、天子じゃないの?背中に翼生えてるし・・・。」
「翼・・・?」
私は自分の背中に恐る恐る手を伸ばして、確認するのだ。
ヒラリヒラリ・・・
私の前に一枚の黒い羽が舞い落ちる。
私は・・・翼を持っていたのだ。
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